タカ

タッカーのタカのネタバレレビュー・内容・結末

タッカー(1988年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

近づきすぎると、"夢"に感染する。

軽快な音楽とともに勢いが溢れる冒頭
タッカーはいつでも前向きで陽気
軍需工場を営んで戦争をくぐり抜け、
次に目を向けるは戦後の新しい時代にふさわしい自家用車の生産だー!!🚗

妻と子供に囲まれて幸せな暮らしそのもの
安定した生活も送れるのだろうけど、突っ走って止まらない。
根底にあるのは世のため人のためイズム
自分のアイデアが少しでも役に立ってほしいという純粋な思いが歩みを止めさせない。

見切り発車で危うい橋を渡りながら続けてきた事業
ようやく軌道に乗りはじめたと思いきや、徐々に立ち込める暗雲……
ベテラン業界人役員の内紛と競合する大企業の妨害とそこに密に肩入れする政治家の思惑
何一つ思うようにいかない現実にさすがのタッカーも戸惑い、イライラを募らせる😡

最終決着は裁判で👨🏻‍⚖️
先走りすぎた資金繰りは果たして詐欺と見なされるのか?
法廷シーンはラストを担うには淡白に感じたけど、最後の大団円はハッピーで街中を走り抜ける様はアメリカ的で楽しい😆
軽快な劇中音楽と分かりやすいストーリーが実にエンタメで楽しくて好みだった。

ただ、一つだけどうしても引っかかる。
法廷でタッカーが高らかに技術進歩の重要性を謳うシーン
そこで引き合いに出されたのが、戦時中の兵器の話
一言一句を正確には覚えてないけど、
「爆弾を作っていたことがいまや自慢の種だ。」とか
「このままでは敗戦国に技術で劣ってしまう。」
などのニュアンスのセリフがあった。
その戦争で兵器の犠牲になったのは?敗戦国?
正直、それを引き合いに出すとは許し難かった。

良くも悪くもアメリカ的でアメリカ目線に注視した作品
好きなんだけど、心遣いは必要
タカ

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