第3逃亡者

抜き射ち二挺拳銃の第3逃亡者のレビュー・感想・評価

抜き射ち二挺拳銃(1952年製作の映画)
4.0
速い。敵味方にかかわらず常に相手への先回りを演じることで優位に立つことを競い合っている。待ち伏せされて転倒したオーディマーフィは次のショットではすでに銃を抜いており立ち上がれぬふりをして敵がみすみす姿を現すのを待ち構えている。スティーヴンマクナリーが町を離れるので代理を頼むと老保安官に言うと彼はすでにバッジを持ってきているぜと答える。強盗団はすでに町の中に潜伏している。人質は奪還される前によそへ隠してある、等々。この先回りの立場を覆すにはラストのオーディマーフィのように窓ガラスをぶち破って突入し一挙に距離を縮めるほかはないのである。窓ガラスといえば保安官がチンピラを窓ガラスに投げ込むショットを屋内から撮ったところは驚いた。それからリーマービンが出ていたのも初めてわかった。強盗団を取り逃がしてしまう際に水場へと逃げ込まれる、あるいは老保安官が殺されるシーンでは雨が降りしきっているというあたりにはすでに液体の主題が露呈している