こたつむり

ウィークエンド・シャッフルのこたつむりのレビュー・感想・評価

3.8
♪ 追いつめられた心溶かす 鈍色の肖像
  切り刻まれた記憶を映しだす

日曜日の朝7時台に放映される子供向けドラマ。そんなポップな手触りなのに、その中身はエロくてナンセンスなドタバタコメディ。筒井康隆先生(原作者)へのリスペクトを大いに感じました。

だから、完全に人を選ぶと思います。
冒頭からして“犬が埋められて”いますが…勿論、コンピュータグラフィックスなんて高価すぎて容易に使えない時代ですからね。確実に“リアル”で撮影しています。

また、豚を載せた車が横転…という場面も。
現代の作品ならば「動物虐待」と目を三角にして唾を飛ばされるのは確実な演出。いやぁ。明瞭明晰に狂っていますねえ。けしからんですねえ。

それと、救急車の中に犬がいたのは…。
やはり、アレがアレの目的でアレをアレにアレしちゃったんですかね。で、アレがアレになったと…。いやぁ。完全に大人のギャグですな。けしからんですねえ。

あと、女優さんたちも脱ぐ、脱ぐ、脱ぐ。
秋吉久美子さん、池波 志乃さん、秋川リサさん…思わず何かをボカシたくなるほどの熱演。こんな作品に子役を用いて良いのでしょうか。けしからんですねえ。

そんな彼女たちのお相手は泉谷しげるさん。
今では、妻に先立たれた老人からヤクザの親分まで、味のある役柄をこなされていますが、そんな印象が吹き飛ぶほどの美味しい役柄…ではなくて、けしからん役柄。ちょっと代われ。

まあ、そんなわけで。
髪の毛からつま先までドタバタナンセンスの王道。不謹慎と言われることに挑戦している作品(典型的な差別要素は含んでいません。但し、重箱の隅を突けば話は別)なので、鷹揚に捉えることが大切です。

…というか、免疫が無い人にこそ、オススメ。
勿論、笑いのツボは千差万別ですから、こういう系統にピクリともしない…なんて危険も孕んでいますが、モラルが“ぶち壊れる”とググっと視野が拡がりますからね。挑戦してみる価値はあると思います。
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