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カティンの森の東京キネマのレビュー・感想・評価

カティンの森(2007年製作の映画)
4.0
精神を安定させてからでないと中々見られない映画という事もあり、見なきゃ見なきゃと思いながら大分時間が経ってしまいました。そうか、演出はアンジェイ・ワイダだったんだあ、と思いましたが、考えて見れば実際に戦争を体験したポーランド人ですからねえ、適役でしょう。この映画で初めて知ったのですが、彼の実父は、このカチンの森で亡くなったポーランド軍大尉だったそうです。まあ、素材が素材ですから、映画としてどうのこうのという話ではないでしょうし、想像の通り、あまりにも酷い歴史的事実にいたたまれない感情でいっぱいです。いや、もっと強いかな。ソヴィエトに対しての怒り以外の何ものも感じません。戦争は恐ろしい、同じ人間がこんな鬼畜のような所業をするなんて、というなかれ。相手はポルシェヴィキ(共産党)です。意見が違えば、トロッキーみたいにアイスピックで頭カチ割って殺すような人達なのです。一般化しないで下さい。

それにしてもです。ポーランドは、もっと早く戦時体制に出来なかったのかなあ、国ごと無くなってしまうという危機感は無かったのかなあ、と思うのです。宣戦布告なしに侵攻されたって言うけど、彼らはいつもそうじゃないの。(憲法9条守って侵略されそうになってる、どこぞの国には言われたくないでしょうが。。。)おそらく1932〜33年のホロドモールは知っていたでしょうし、1939年8月23の独ソ不可侵条約の段階で気付くべきだったのです。何をどうすれば、ポーランドの地元で25万人もの軍人が武装蜂起させられて拉致されるなんてことが起きるのか。その人数の多さに愕然とします。カチンの森事件の被害者は22000人ですが、その残りの10倍もの行方不明者は一体どうなったのか。例の如く、プーチンはスターリン・赤軍の問題であって、うちの責任ではないなんてスットボケたことを未だに言ってますが、欧州人権裁判所なりにかけて徹底的に真相究明すべきでしょう。ましてや、2010年「カティンの森事件追悼式典」に出席する為ポーランド大統領夫妻初め多数の政府関係者を乗せた政府専用機が墜落した事件、案の定というか、最近になってロシアによる暗殺じゃないのか、なんて記事が外信に出てましたから。

アメリカのバイデンに「あいつはタダの人殺しだ」と言われた今がチャンス!(笑)序でに、北方領土返還(2島なんて寝ぼけたこと言わず、占守島含め20島全部!)と70万人のシベリア抑留の賠償金も請求しましょう!
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