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カティンの森ののんchanのレビュー・感想・評価

カティンの森(2007年製作の映画)
4.3
必見すべき事実に基づいた秀作🌟

第二次大戦下に起きた『カティンの森事件』(下記※参照)を今まで知らないで生きてきた...世の中にはまだまだ知るべき事実が沢山ある‼️

自らの父親が同事件の犠牲者だったアンジェイ・ワイダ監督が、両親に捧げ、この事件を風化させない為、80歳で取り組んだ力作。

ナレーションの一部を抜き書きすると
「犯人は極悪非道のナチス。
 無抵抗の捕虜が殺害された。
 冷静かつ組織的な虐殺だった。
 将校や技師や医師....
 1万人以上のポーランド知識人が    
 戦争でにわかに軍服を身に纏い...」

とにかく、何の罪もないポーランド🇵🇱人が犠牲になった。
ユダヤ人だけではなかった事に新たな驚きがあった。

1939年当時のポーランドはドイツとソ連に侵攻されていた。そこでソ連が2万人以上のポーランド人の捕虜を虐殺し、その罪をドイツに被せて知らないそぶりを続けていた。終戦になってもポーランド政府はその事件を知りつつも、同じ共産主義国のソ連に何も言えず、公にはドイツのせいにしていた。実際に家族が殺された人たちは「そんな有耶無耶にされるのは納得いかない!」と怒っていたわけですね。

この映画はそんな【国の秘密】に振り回された人たちの悲しく虚しい、やり場のない葛藤の物語でした。

途中、当時の動画や写真が挿入されています。目を覆いたくなる光景ですが、それを知る必要はあります。


※『カティンの森事件』
1940年、第二次世界大戦中にソビエト連邦のスモレンスク近郊の森で約22,000人のポーランド軍将校、国境警備隊員、警官、一般官吏、聖職者が、ソビエト内務人民委員部(NKVD)によって殺害された虐殺事件。
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