アタラクシアの猫

カティンの森のアタラクシアの猫のレビュー・感想・評価

カティンの森(2007年製作の映画)
3.9
ポーランド銃後の映画。
ポーランド将校12000人の虐殺、カティンの森事件の真相を明かす史実。

アンジェイ中尉の妻アンナの視点で抑圧されたポーランド国民の悲劇を描く。「アンジェイの日記」と題しても良い位、アンジェイ中尉の日記が重要。

1939年9月、ポーランド。
西からナチスドイツの進行。
東からソ連赤軍(ボルシェビキ)の攻撃を受けて、首都ワルシャワ陥落。
ドイツとソ連に分割占領される。
ポーランド将校らは捕虜となり各地へ移送。

アンジェイ中尉の父はクラクフ大学の教授。反独の立場の大学は問答無用で閉鎖。抗議すれば射殺。
向学心を蹂躙するのは人類に対する大いなる仇だ(怒)

結局、カティンの森事件はソ連赤軍の犯行なんだけど、その事件をドイツは「欧州の安全」のプロパガンダに利用しようとして、ドイツの敗戦以降はソ連側が「あれはナチスドイツの犯行」って言い張った所に問題がある。

そしてソ連の属国になったポーランドの子供達は「父はソ連に殺された」と言えなくなってしまう。

1990年代、グラスノスチ(ロシアの情報公開)が一種のブームになって、ソ連のスターリンによるカティンの森事件の真相が明らかになった訳だけど…
歴史上はヒトラーの虐殺より、スターリンの虐殺の方が酷いので、今後、更なる負の史実が映画となって登場するかも知れません。
本作のアンジェイ監督(80歳)は、主人公アンジェイ中尉の子息で、構想50年と言う力作です。