広島カップ

カティンの森の広島カップのレビュー・感想・評価

カティンの森(2007年製作の映画)
4.0
ウクライナの西のお隣にあるポーランドは1939年にドイツとソ連から侵攻され全土が両国の支配下に置かれた。
翌年ポーランド人捕虜約22.000人を現ロシアのスモレンスク近郊にあるカティンの森でソ連兵が虐殺した。
その後ソ連に進駐したドイツ軍が1941年にポーランド将校達の死体を同地で見つけ発表したが、ソ連はそれはドイツ軍がやったモノだと主張し面の皮の厚さを見せた。

ポーランド軍の大尉だったアンジェイ・ワイダ監督の父上がこれに巻き込まれて亡くなっている。

ソ連のこの蛮行に対してワイダ監督が鉄槌を下す。

地面に掘った穴に横たわる死体の山にブルドーザーで土を被せる様子を赤裸々にフィルムにし、思わず目を背けたくなる程の生々しい虐殺行為をスクリーンに叩きつけて「お前らはこういうことをしたんだ!」と言う。

おそらく監督は怒りに目に涙を滲ませてカメラを覗いていたに違いないと思う。
黒いバックに白い文字が下から上にゆっくり流れて行く、長く無音のエンドロールを観ながらそう思う。
広島カップ

広島カップ