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カティンの森のHKのレビュー・感想・評価

カティンの森(2007年製作の映画)
3.7
「地下水道」「灰とダイヤモンド」などで知られるポーランドの巨匠、アンジェイ・ワイダ監督による第2次世界大戦時に実際に合った「カティンの森事件」を題材とした映画

ヒトラーが先頭に立っていたドイツとスターリンが先頭に立っていたソ連の間に位置していたが故に悲劇に巻き込まれてしまったポーランド。1939年にドイツとソ連双方に侵攻され、挙句独ソ不可侵条約の後に分割占領される羽目になってしまったのは、何とも言えない悲劇なのだろうか。

虐殺を行ったのはソ連であるのに、衛星国になったという理由で、人々にその実情を隠蔽させるというのはやはり腐った連邦であった。この映画に登場する人物も、生きるためにソ連の方針に従う人もいれば、死んでいった将校の人たちを思い、罪に問われようとも訴え続ける人たちの足掻きを静かに描いていてとても威厳のある映画であると思った。

そして、最後の虐殺シーン。ありゃもう作業ですね。人を家畜としか思っていない人間による人間の屠殺ですわ。何とも言えないラストであった。神様なんていないんだわ。
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