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ライアーゲーム 再生ののらのレビュー・感想・評価

ライアーゲーム 再生(2012年製作の映画)
2.5
原作は漫画だが日本版 SAW を意識したテレビドラマシリーズのリブート作品。

端的に言って映画としてのスケール感が小さすぎる。説明ゼリフが多く話のテンポが悪い。それ以上に悪いのは主人公を演じる多部未華子の成長を行動ではなくセリフで説明する点に加えて、この主人公がもつこの主人公にしか無い武器が何なのかが分かり難い部分にある。結局のシリーズを通して本作は松田翔平演じる秋山というキャラクターに依存してしまっている。

またゲームとしてひとつ致命的な弱点がある。それは参加者が1億円以上を欲しなければ全員生き残れ、さらに最初にもらった参加料の1億円がもらえるという部分だ。つまり何もしなければ全員生き残りお小遣いまでもらえる。そこで争いを描くには参加者達の参加動機を描かなければいけない。しかし本作のゲームは強制参加だ。そのため裏切りあいの部分がルーティン的でドラマ性にかける物になっている。それを解消するには各キャラクターの性格を明確に描き分ける必要、各登場人物と正反対の性格のキャラクターを配置すると言った仕掛けが必要だが本作にはそれも無い。

オチも初歩的な金融取引で仕掛けとし弱い。映画としてのスケール感ないし映画ならではの要素が皆無なため、2時間のテレビドラマで十分という内容になっている。

それにしても強制参加のゲームで参加料として1億もらっているのに、それ以上儲ける必要性を与えなかったのには首をかしげる。
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