ルビッチときたら、もう一人の喜劇映画の雄プレストン・スタージェスについても……。
「ニノチカ」が「ガルボ、笑う!」がキャッチフレーズならば、本作「レディ・イヴ」はさしずめ「フォンダ、コケる!」。
何しろあのヘンリー・フォンダが、ソファーや階段とかにつまずいて豪快に何度もすっ転ぶ!
でも転んでも真面目な表情してるのが如何にもこの人らしい。
蛇の研究家で大財閥の倅であるフォンダは、南米での調査を終えて、お供のウィリアム・デマレストと船で帰路に着く。
チャールズ・コバーンとバーバラ・スタンウィックの詐欺師親子は早速御曹司のフォンダに目をつけてカード詐欺でカモにしようとするが、スタンウィックはあまりにも純情すぎるフォンダに本気で恋してしまう。
この客船でのシーンは、父のカード詐欺をあの手この手で妨害するスタンウィックのくだりとか面白いけど、ちょっとスタージェスの映画にしては大人しすぎるような気がする。
ぐんと面白くなるのが、フォンダがお屋敷に帰ってからで、ここからはドリフのコントみたいにフォンダが災難に降りかかる。
個人的には、スタージェスでは「結婚五年目」の方が好きだった。ただ「結婚~」はほぼ反則級のオチだから比べちゃいけないだろうけど。
■映画DATA==========================
監督:プレストン・スタージェス
脚本:プレストン・スタージェス
製作:ポール・ジョーンズ
音楽:ジグムンド・クラムゴールド
撮影:ヴィクター・ミルナー
公開: 1941年2月25日(米)/未公開(日)