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めしのneroliのレビュー・感想・評価

めし(1951年製作の映画)
4.2
■成瀬巳喜男監督×林芙美子氏〜🎬■
 
 
原作は1951年に『朝日新聞』に連載された林芙美子氏の同名長編小説。
連載中に、同氏は急逝。
 
ラストは成瀬監督らによって付与された。
 
 
実は本作作成前、成瀬巳喜男監督はスランプに陥っていた。
 
しかし本作は、林芙美子作品のチョイス、そして川端康成氏の監修により成功。
 
「女性映画」を手がける映画監督となる最初の作品となった。
 
 
 
 
■戦後の女性の幸せとは?■

 
本作は戦後、夫を支える主婦の幸せとは何か?を考える映画であった。
 
「仕事に忙しい夫もまた幸福を求めているし、その夫を支え続けるのが女性の幸福だ。」と”平凡な幸せ”を映画の中では描いている。

(林芙美子氏は連載の途中で急逝したので、ご本人の考えは分かりませんが…。)
 
 
当時の主婦の仕事として、掃除や洗濯、炊事の様子が描かれていたが、今では考えられない重労働。
 
今は、掃除はルンバ(最近のお掃除ロボットは床拭きもしてくれます、笑)
洗濯は洗濯機、炊事は炊飯器(時にオイシックスキット、笑)。
 
昔に比べたら家事が楽になっている。
その分、女性も仕事ができるようになった。
 
女性も外で気分転換できるようになったし、自分が稼いだお金を自由に使うことができるので気が楽な部分がある。
 
 
私としては、戦後間もない主婦の生活は、毎日同じことでつまらなすぎて、自分にはできないな〜と思いながら見ていた。
 
「おーい、めしは?」と夫に言われ、それに追われる毎日💦
 
私も毎日ご飯の用意のことばかり考えないといけないので、この気持ちはわかります、笑
 
 
しかし、幸福を求める夫の仕事を支えながら、女性はそれを支えるのが幸せだという大きな枠組みでの考えは、そんなに変わっていないのではないか?というのが私の考え。
(あくまで私の場合です。)
 
現代は結婚の形態も多様化しているので、色んな考えがあるとは思いますが…。

 
 
 
■「林芙美子生誕百二十年記念」■

 
本作『めし』は、林芙美子氏原作、成瀬巳喜男監督作品の最初の作品。
後に以下の作品が生まれた〜🎬
 
『稲妻』
『浮雲』
『放浪記』
 
今後、見るのが楽しみだな〜♡
 
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