秋日和

血煙高田の馬場の秋日和のレビュー・感想・評価

血煙高田の馬場(1937年製作の映画)
4.0
ラストへと向かって駆け抜けていく韋駄天走りも、舞うように斬っていく様も、もっとずっと眺めていたい気持ちになる。マキノが引き連れてくる群衆に毎回わくわくさせられるのは(群衆を撮る、という想いが先にあるから素晴らしい)、人の出入りが激しいフレームが段々と人間たちで埋め尽くされていく様子が気持ちいいからだろうか。
呑兵衛で喧嘩っぱやい主人公=阪東妻三郎は本当にどうしようもなくって、そのどうしようもなさが映画を軽やかにしているのかもしれない。
でもその彼が、叔父からの別れと覚悟の詰まった手紙を読むことが出来たのは、そんな彼でも読み書きを教わった証なのかしらんと思えて仕方がない。もしかして、叔父が教えてくれたのだろうか、そんなことはないのだろうか。誰でも文字を読める時代ではないのだから、酔っぱらう彼の読みっぷりに、なんだか惹かれて仕方がなかった。ずっと観たいと思っていた映画を観ることができて嬉しい。