一夢

24アワー・パーティ・ピープルの一夢のレビュー・感想・評価

3.2
パリピと呼ばれる人種は嫌いだけど、頭に24アワーが付くだけで話は別になってくる。工業都市だったマンチェスターがファッション、音楽、ドラッグ面でロンドンに無い勢いを得た80年代後半〜90年前半の「マッドチェスター」カルチャーの興隆と衰退を、ファクトリーと言う名のレコードレーベルに焦点を当てて描いたドキュメンタリー映画。

ドキュメンタリーものなのだが、主人公はカメラ越しに向けて解説を始めたり、所謂メタ的な要素を含んでいて、そこが面白い。過去の実際のライヴ映像と、映画のために撮った映像が上手く繋がれていて、この人タイムマシンに乗ってきたのかな??という雰囲気を感じる。

ここ最近、New Orderや周辺のロックとクラブ文化をミックルスさせたジャンルにハマっていることもあるせいか、非常に楽しんで観られた。序盤はJoy Divisionに焦点が当てられており、こちらも見応え充分。「コントロール」を観て、スキンズらしき観客が多かった理由が判明して納得。そういうバンド名だったもんね…。

アーティストと、権利や配分に関しての契約を結ばず、運営するクラブハウスはドラッグの売人ばかり儲けて収入源のアルコール類は全く売れず、と経営者としては完全に失格な人間が音楽の才能のあるアーティストと絡むとこうなってしまうのか…ということが分かる、ある意味恐ろしい作品。
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