菩薩

野火の菩薩のレビュー・感想・評価

野火(1959年製作の映画)
4.4
荒ぶる創作意欲とグロテスクな描写、ハエの羽音が聴きたければ塚本晋也版を観ればいいし、静かに着実に侵食してくる死と、光と影の魔術、芥川也寸志の音楽が聴きたければ市川崑版を観ればいいと思います。どちらも共通しているのは虚無感、絶望、恐怖、腐臭。歩く歩く歩く、死へと向かって大行進。それでも人間て、極限状態に追い込まれれば追い込まれるほど、なんで生きてるんだろうじゃなくて、なんで死ななきゃいけないんだろうになるんだと思います。それが本能なのだと。

とまぁ、当然グロ好きの自分としては塚本版の方が好きです。喰うって大切。