tjZero

野火のtjZeroのレビュー・感想・評価

野火(1959年製作の映画)
4.0
塚本晋也監督のリメイク版ではなく、市川崑監督のオリジナルの方です。

第二次大戦下のフィリピン、肺病で中隊から追い出された主人公が、重病でないため病院からも受け入れを拒否され、ジャングルをさまよう。

そこからは、米軍からの襲撃に、飢えや重傷のため密林の中をゾンビのようにふらふらと徘徊する兵士たちの描写が強烈。

コントラストのクッキリとした、ギラギラとしたモノクロ映像の中、極限まで追い詰められた人間たちのむき出しの野性味や飢餓感がひしひしと伝わってくる。

こういう題材は、白黒映像の方が向いてる気がする。戦死体も本物のように見えるし、エグい場面も眼をそらさずに凝視できるから、メッセージをまっすぐに受けとれる。

戦後から十数年しか経ってない頃の作品だから、反戦へのメッセージが骨太で熱がこもってる…作品のタッチは市川監督らしく、あくまでクールだけど。