青二歳

手をつなぐ子等の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

手をつなぐ子等(1948年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

1948年大映。笠智衆若き教師役。舞台は昭和12年(1937)、知的障害児童“特異児童”の物語。えこのイケメン子役長門裕之なの?(・д・。)
さてなんで今作を撮ったんだ大映…?と軽く背景も考えると、大映が映画化した時は養護学校発足したばかりで、笠智衆に言わせているように、"特異児童"の教育の必要性を認知させたい時期。
養護学校は主に戦後に稼働。盲学校・聾啞学校の歴史は私塾・公立校ともに明治時代からあります。そこに身体障害・知的障害児童も含めた体系が整備されていくのは戦後の教育基本法から。
原作の発表は44年なのでまだ彼ら"特異児童"の自立教育についての体系もノウハウもこれからという時なんでしょう。戦前の救護法の方での取組の実績は体系立てられていたかは微妙でしょうし。で、昭和12年の物語としてフィクションの体で問題提起したものというところかなと。GHQ検閲下ですからこの手の啓発映画もね。

それだけでなく、子役たちがとにかく熱演でよかったです。イジメを乗り越えた先の友情とかベタなりに妙な説得力があります。
修身の授業っていいな…笠智衆がやるからかな〜
大映京都、何が楽しいって、遠足で子供らが嵐山に行った時、映画撮影のロケハンに出くわすんですが、こういうメタネタ挿入してくれるの好き。河原で殺陣なんて子供たち喜んだでしょうねえ。
なお撮影は宮川一夫。'44年の"土俵祭"みたいにクローズアップやクレーン等色々試しててすごい楽しそう。遠景はこの頃からかっこいいです。
青二歳

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