もやし

スイミング・プールのもやしのレビュー・感想・評価

スイミング・プール(2003年製作の映画)
4.0
フランソワ・オゾン監督作品。
監督の想像力の源を映画化してみようとしてできた作品らしい。

いつものごとくロジカルに話は進んでいくが、終盤で一気に意味がわからなくなり、巻き戻して見れば見るほどん…?どういうこと…?ってなる作品。
自由に解釈をしていいらしいです。




ベテラン女流作家の主人公は人生のスランプに陥っていた。
人生に何の喜びも見出だせない。
金にはもう困らないが、まだ何かを求めて書き続けているが、これも果たして何のためのものなのか…

出版社の編集長の別荘がフランスにあるということで、そこをしばらく借りることに。
気持ちの良い場所だったが、そこに突然編集長の娘が来る。
荒い性格で、男も連れ込んでくるし、仕事が手につかなくて何なの…!ってなる。



あらすじから言って全く面白くなる気配がないんだけど笑、後半一気に展開する。
何がどうしたらこんな話を思いつくのか…皆目見当もつかない。


主人公の殺伐とした空気感がとても嫌である意味最高です。あの「さざなみ」の女優さんです。
奔放な美女との喧嘩腰なやり取りが何とも嫌な気分に…笑



文章で説明しようもない話なのでもう書きませんが、とりあえずこの経験を経て主人公が新作を書き上げたという結末だけは明確。その意味では後味は良いです。

個人的な解釈としては、この映画は主人公という一人の人間の内面の別の側面を具現化したストーリーなのかなと。
人の別の側面をこれだけクローズアップした作品と考えると見所はあるかも。

普通にゾッとするミステリーとも取れるかもしれないですね。



人間って何を考えて生きてるか皆目わからないし、そんな意味不明な人間同士が関係を築くわけだから、この世界ではどんな出来事が起こっても不思議じゃないっていう実生活の教訓を再認識しました。
もやし

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