子供から大人まで楽しめる、という事が質の高さに裏打ちされたような作品でした。
バイキングの島が舞台で、ドラゴンという生き物が存在して“害獣”として退治される世界のお話です。
そのバイキングの漢の世界に馴染めない主人公ヒックと怪我をしたドラゴンのトゥースとの交流が描かれます。
それ自体は別に珍しくないジャンルですが、なぜこのジャンルに人々が惹かれるのかがこの作品を観るとスッと入ってきますね。
ヒックが成長することで周りまで成長や変化が広がっていく。
自分が頑張って成長していくのって素晴らしいことなのだとしっかり思える作品になっています。
トゥースはドラゴンなので心を通わせる人とそうでない人との差を、明確に仕草や目など動物的な正直さで表してきます。
なので実はこの映画の中でトゥースが可愛く見える時というのは、決まってこちら(人間側)に心を通わせた時なんですよね。
私はたまに寝る前に、ふと動物の動画をネットで見ると止まらなくなり寝どきを逃し後悔するということを月1ぐらいでやっていますが、べつに動物が映っていれば何でも良いのではなくてやはり人間と心を通わせるような映像が良いです。
関連動画が止まりません。
この作品も単にトゥースだからドラゴンだから可愛いのではなくて、やはりこちらと心を通わせてくれる姿や様子が可愛いのです。
そしてもちろん人間同士だってそうで、相手を分かり分かってもらえる事で何か変わる、他者と心を通わすことの素晴らしさが散りばめられた作品でもあるのです。
そんなところまで無理なく自然に盛り込みながらストーリーが面白く、とても良くできた脚本とそれを支える映像のクオリティや実写と見間違うほどの光と陰の表現など文句は無いのですが、本領発揮の3Dで観れなかったのが残念です。