継

ヒックとドラゴンの継のレビュー・感想・評価

ヒックとドラゴン(2010年製作の映画)
5.0
風を切って 雲を抜けて「飛んでいる」感覚。
グングン上昇する力強い羽ばたきが
自然と首を上下に振らせます

分かり合えない関係を象徴する
聞く耳を持たない父親と口だけは達者な息子
だが,
傷付いたドラゴンの姿に己の弱さを見た息子は
(種の)違いを越えて分かり合う, 補い合う道を模索する...

何処までも続く空, 眼下に小さくなる島の灯りが
異なる視点で物事を捉える大切さを現すよう。
青い水平線を今 翔け抜けていく♪
海に生きるバイキングが 空を翔ける物語です(^^)。

🐲😺
平行して観せる、倒すためと再び飛ぶための矛盾した2つの訓練描写がとても要領を得ていました。
トゥースとの交流で得た “習性” を利用してドラゴンを手なづけ、周囲の評価を覆してゆく「倒す訓練」の楽しさと、
失敗を繰り返しながら次第に距離を縮め、両者が信頼関係を築いていくさまを辛抱強く見せる「飛ぶ訓練」の説得力。
これと同時に、敵として倒すべき訓練を重ねる一方で、愛すべき真の姿を知ってしまう…アンビバレンスな感情に引き裂かれてゆくヒックの心情が伝わるようでした。

ゆったり尺を使って魅せるアスティとの滑空シーンから、文字通り急転直下して劇的に転調するプロット... もう脱帽ですm(_ _)m 。


喋れなくても黒目の描き方や仕草で分かり易く印象を伝える、本来は低年齢層向けのアニメーション。
軽傷で済ませてもよかったヒックにココまで描くか(^-^;ってくらいシビアな代償を負わせたのは、癒える事の無い傷を負った両者が対等に支え合って生きる、共生するという姿を描きたかったからでしょうか。
その身に起こったことを静かに受け入れて(このシーンの丁寧な表情の推移がヒックの成長を物語るようでグッときます(T∀T))よろけた所を支えるトゥースを “thanks, bud(→buddyの略)”=相棒と呼ぶヒック。
この時、初めてホントの意味で対等な相棒になったとも言えるわけで、この辺りの一歩踏み込んだチャレンジングな描写が物語の質をワンランク上のステージへ押し上げているようにも思えます。


先日、本シリーズの3作目が全国で公開となりましたが、これはドリームワークス・アニメーションとギャガが日本配給のパートナーシップを組んだその第1弾としてめでたく実現したもので👏🎊、
上映館数もその日数も極めて少なかった本作と、上映すらされずに(後にコミコンで限定上映)署名活動が繰り広げられた2作目に比べると隔世の感があります。
思い入れがあるからか、普段なら気にしない観客動員数とかも気になる始末(笑)ご覧になりましたか、皆さん?

当初から3部作となることを念頭に製作された物語。3作目を劇場で観て、これはやっぱり1作目からしっかりレビューしなきゃと思った次第。
大きなスクリーンで味わう「飛んでいる」感覚は、思ってた以上に爽快でしたョ(o^-')b !
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