TAK44マグナム

スーパー・タッチダウンのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

スーパー・タッチダウン(1991年製作の映画)
3.5
タッチダウンを決めろ!


アメリカンフットボールを題材としたコメディドラマ。
いわゆるひとつの「メジャーリーグ」タイプというやつでして、たまにああいうのが無性に観たくなる時があります。
大体、最後にはハッピーになって終わるので後味良いし、優れた作品だと笑えて感動できるので心の運動にちょうど良い。
では、本作はどうか?
まぁ、普通でしたよ(苦笑)
普通だし、決して悪くないです。
若い頃のジェイソン・ベイトマンがお金持ちの悩める息子役で出演していますが、若すぎて最初は分かりませんでした(汗)


テキサス大学のアメフト部「アルマジロ」は全米大学ナンバーワンとなりますが、数々の不祥事が発覚、コーチから選手まで殆どが追放となってしまいます。
慌てた学長は誠実とされるエドにコーチを依頼、エドは盟友のウォーリーと共に新たな選手を集め始めます。
集められたのは、実に個性的な面々。要となるクォーターバックには、ある理由から大学進学を諦め農場を継いでいた34歳のポールがスカウトされ、他にも教員やカラテマン、軍曹、双子、巨漢のサモア人、女子サッカー選手らが招集されました。

しかし、チームは連戦連敗。
チーム内の雰囲気も悪くなり、衝突もするようになってしまいます。
そんな頃、ポールはジャーナリズム学科の教員であるスザンヌに一目惚れ。
彼女の応援もあって、ポールを中心として徐々にチームの結束が強くなってゆきます。

やがて迎えるシーズン最終戦。
相手は因縁あるトップチーム。
病気のエドを欠いての戦いとなり前半は絶体絶命状態でしたが、エドが戻ったことで息を吹き返したアルマジロの反撃が始まります。
残り数秒、キックでは同点どまりの状況でエドはトリックプレイを提案、ポールは全てを賭け走り出します。
はたして決まるのか、スーパータッチダウン!


アメフトのルールは、ジャンプに連載していた「アイシールド21」を好きで読んでいましたし、ファミコンで「10ヤードファイト」をやっていたので何となくは分かった上で鑑賞したわけですが、細かいルールなんて分からなくても支障はありませんね。
ボールを持って相手エンドを駆け抜ければ得点、更にキックして追加得点できる。
それだけ知っていれば大丈夫でしょう。

個性的な連中が揃っているわりには、そこまで破茶滅茶さはありません。私生活についてはポールしか描かれませんし、他の選手はちょっとしたドラマが描かれるだけで面白味のあるキャラクターは多くないです。

次から次へと問題が起こる割に、どれもこれも、あっという間に解決するので深く悩むことはありませんし、全編とおして能天気。
友情がどうとか、アイデンティティがどうとか、こういう映画に付き物の要素はかなり薄口で、尺が108分あるにしては深度が10センチぐらいしかない感じです。
しかし、そのおかげもあって暗さやら重さやらは皆無でして、観ていてテンポが良いし、非常にとっつきやすい(そのかわり、観たらすぐに忘れ去られるタイプ)。

ポールの恋人となるスザンヌを演じたハーレイ・ジェーン・コザックが知的美人で好みでした。
この人、いまはミステリー作家になっているらしいです。
あと、女子でありながらキック力を買われてヘッドハントされるルーシー役のキャシー・アイアランドも、出番こそ多くないもののインパクトがあって、輝きを放っていましたね。
途中参戦だったのが残念。もう少し背景を語ってほしいキャラクターでしたよ。

それにしても、映画のクライマックスがシーズン最終戦といっても州の大学リーグでの話っていうのも何ともスケールが小さいですな(汗)
しかもこの話って「1勝目をあげる」それだけの話なんですよね。
「メジャーリーグ」みたいに優勝がかかっているとか、そういう華々しさが無いのに無駄に熱い。
たぶん、ここから快進撃が始まるんでしょうけれど、その後どうなったのかを知りたいですね。

「メジャーリーグ」や「がんばれベアーズ」がお好きなら、かなり薄めの二番煎じではありますが観ても損はしないと思います。


アマゾンプライムビデオにて