さめ

ブギーナイツのさめのレビュー・感想・評価

ブギーナイツ(1997年製作の映画)
4.6
実在のポルノ男優をモデルに、1970~80年代のアメリカのポルノ業界の栄光と衰退 それに携わる人々の、疑似家族的な繋がりを描いた青春作。
今は「テッド」のクマのお兄さんのイメージがついてますが、若きマークウォルバーグが、並外れた大きさの「ブツ」を持つカリスマポルノ男優を熱演。
「マグノリア」でポールトーマスアンダーソン監督のファンとなった私ですが、このDVDは家族と見なくて本当によかったです笑
ジュリアンムーアがかなりガチンコなポルノ女優役だったり(コミュニティの大いなるママ役がものすごくハマってました)、ヘザーグラハムが貞操観念奔放なローラーガール役で出演。
ポルノ業界に携わる一つの共同体として、どこかハズれてしまっている不器用な彼らが疑似家族のように支え合うさまは、切なく美しく、
どうなっちゃうのかと思うぐらい崩壊に進む彼らですが、そこは監督ポールトーマスアンダーソン。絶妙なさじ加減で、愛すべき人間たちにゆるしと明日を与えます。

破滅へと加速する様はヘヴィですが、70~80年代のファッションやカラーがあくまで青春ドラマの様相で今作をポップに彩ります。
20代でこれを撮るのだからポールトーマスアンダーソンは本当にすごい。
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