ひとつの時代を銃声が終わらせる。
その銃声とともに、次の時代がやってくる。
1970年代後半から、1980年代まで。ポルノ業界に携わった人たちを描く。時代に翻弄されながら、それでも生くゐ全ての人たちへの讃歌となっている。そのことに私は驚いている。
映画は3つのパートから
①1970年代・・・ポルノ映画業界を明るくお茶目に/陽気に/カラッと描く/笑えて楽しい
②1980年代へ・・・映画からビデオの時代へ/シロウトが好まれる時代へ/ゲイジュツより大衆性重視/ポルノ映画というよりアダルトビデオ/時代に乗れない焦燥/どん詰まり/(必死さに、しがみつくプライドに、笑えなくなってくる)
③そして最後に・・・ソファに座ったマーク・ウォールバーグが、それまでとは全く違った表情を見せる/ジュリアン・ムーアも、それまでとは全然違った表情を見せる/そして、観ている私も、観る前とは全然違ったものがみえている(ような気がする)
という話はここまでにして。ともかく。
ダメだあ!好きすぎるっ!
お腹をはみ出させたフィリップ・シーモア・ホフマンが登場した時、もうアタシは完全に白旗をあげました。ダメ、好きすぎる。ちょっとでもフィリップ・シーモア・ホフマンが画面にうつってると、ニヤニヤしてまう!ヤバい!(その裏には、ファーゴに出てくる人があまりにも気の毒で)
この映画は傑作なのかもしれない。マーク・ウォールバーグが、イチモツは持ってるけどまだ何者にもなっていない頃(まだダーク・ディグラーには、なっていない頃)、ポスターで埋め尽くされた彼の部屋を、ぐるぐるとカメラがうつしたように、いろんな人を思ったり、いろんなことをとりとめもなく考えたりしながら、アタシの頭のなかもグルグルしちゃってます。