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山のあなた 徳市の恋のバナバナのレビュー・感想・評価

山のあなた 徳市の恋(2008年製作の映画)
3.6
マイコさんは、TBSドラマ『新参者』で初めて見て、これが2回目なのだが、現代劇よりこういう着物を着た和風美人がよく似合う。
長襦袢姿になるところなんか、女の私が見てもドキッとしたもの!
桂小五郎を匿った幾松とか、しなやかだけど芯がしっかりした芸者役をやったら、もっと人気が出そう。今年の大河に出ないのかしら?

私は山はあまり好きではないのだけど、“緑が映える”とはこういう景色を言うのだろう。
私はもちろん、こんな時代の山の湯治場は知らないのだが、この、のんびりした雰囲気といい、もしこんな風情のままの所が残っていたら、私も是非行ってみたいと思わせる位、美しく撮れていた。

内容的には、盲目で按摩の仕事をしている得市は、仲間の中でも特に五感が鋭く、気も強くて、腕っ節も強い。
目は見えないけど、気配(匂いかも)で擦れ違った女性湯治客に恋をしてしまい、少しでも彼女と近付きたいと悪戦苦闘する。

全体的にはユーモラスな演出でほんわかした話なのだが、謎の女性が余りにもミステリアスなので、ちょっぴり、これミステリーになっていくの?と思わせる。

今作は、ハリウッドが『Shall we ダンス!?』をリメイクした時みたいに、現場で当時の作品をモニターで見ながら、演技やアングルまでオリジナルと全く同じに撮ったそうだ。
だが演技だけは、草なぎ君や加瀬亮に任せて、自由にやらせてあげてもよかったのではないか。
加瀬亮の裏返った声や、草なぎ君の動きも所々不自然に感じられた部分もあって、もし、オリジナルの役者さんの真似をまんまさせられたのだとしたら、もっと役者を信用してあげればよかったのに…と、残念に思った。
でも全体的には、時間を感じさせないこのほんわかした雰囲気、好きでした。
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