特別な意識もさせず 森を抜けるカメラワークを経ると 燦々と注ぐ夏の日差しに 肉体美を煌めかせて 華麗にプールを泳ぐ男…
とある目的を抱きつつ 彼が行く先々で出会う人々との何気ない会話の数々 その素性も経歴もほとんど多くは語られぬまま 観客が彼の本当の正体に最大限の注意を払い １つの仮説を立てた時 それは衝撃的な真実への入り口なんだと 誰もが愕然とすること必至
隠喩と導線を緻密に計算し尽くした 最もミステリーらしくないにも関わらず 最大限のミステリーを引き出してる異色中の異色作
忘備録のそれである以上
普段はプロローグっぽい語り口や あらすじなんて並べ立てるのは 全くもって趣味じゃないんだけど
忘備録のそれであるが故に この切り出しは不可欠だって思えた
だって もうこれ以上の言葉は何も綴っておかなくても たぶん一生忘れられないくらいのインパクトがあったもんなぁ
バート・ランカスターのビジュアルや所作
彼を囲む人々や街の風俗 背景や細かな演出
どこをどう思い返しても 全てが重要な意味を秘めていて 無駄な場面などひとつも存在しない これは凄い…凄すぎる…
