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八日目の蝉のkuuのレビュー・感想・評価

八日目の蝉(2011年製作の映画)
4.5
『八日目の蝉』
角田光代の原作小説の実写版。
井上真央、永作博美の主演のヒューマンサスペンス。
監督は成島出。
1985年、自らが母親になれない失望、絶念、悲観、まぁどれでもいいやぁ自棄で、銷魂(余計難しくなった)から、希和子(永作博美)は不倫相手の子供を誘拐してもて、己の子として育てる。
4歳になって初めて実の両親の元に戻った恵理菜(井上真央)は、育ての母が誘拐犯やったと知り、心を閉ざしたまま成長する。
ほんで21歳になった恵理菜は妊娠してまうが、その相手もまた家庭を持つ男やった。。。
この作品は2度目で、原作は発売して直ぐ読んでる。
映画の方が感動的な演出がつよいかも。
原作にある話やけど抜けとったり、原作にない話が創られていたりしてるけど、原作で描かれとった誘拐犯の母性てのを短時間で描くにはエエ演出やと思うかな。
原作はあっさりし醤油気味で、コテっとしたんが、物足りひんと感じとったとこを、映画じゃうまいこと上げとったかな。
永作博美の演技はホント胸が痛くなる深い愛情てのが、めちゃ美し~いし、やさしく、ホンでもって幸せそう描かいとるため、やがて来ちまう別れての嗚呼って声出るくらい哀しい。
産みの親と育ての親てのを題材にした作品の大問題は『血脈なんか、時間なんか』なんてのがあるけど、この物語の誘拐犯と主人公の仮初の親子にや血の繋がりってのは、餅の論なく、過ごした時間も短かいもんや。
せやのに主人公の深層心理に深く刻まれた誘拐犯の方の母ちゃんの愛は、これからの彼女の人生に永く大きな作用をあたえていくと確信できるかな。
観るモンがその辺の気持ちを感動へと誘う(いざなう)。
とても善哉(ぜんざいちゃいます!よきかなす)


あと、原作と映画のちゃうとこ記載しますし、ネタバレに抵触しますので、まだご覧になられていない方は、自己判断でよろしくお願いいたします。
また、記憶違いならペナルティくださいな😊(Mではありません真聖Sです😊)

原作じゃ、彼女が誘拐された翌年に誕生した妹真理菜てのが登場します。
映画版やと秋山家の子供は恵理菜だけの描写やった。
ほんで、原作じゃ希和子の最初の逃亡先として、周囲から立ち退きを迫られとる中村とみ子の家が登場するが、映画じゃ登場しいひん。
また、テレビドラマ版やとでてたかな。とみ子の家は、ごみ屋敷ちゅう設定ちがったかな。
それに、映画じゃ、希和子は出所後に小豆島へ渡ったとされとる。
ただ、その姿は映像では描かれてなかった。
原作じゃ、出所後は東京、埼玉、茨城、仙台、金沢へと渡る。
最終的に岡山に定住した彼女は、仕事帰りに、小豆島行きフェリー乗り場で行きかう人を見るのが日課となってる。
テレビドラマ版やと希和子は出所後に新潟、大阪、千葉、神戸を転々とし、原作と同様、岡山へとたどり着いて、港のコーヒーショップで働いている設定となってる。
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