緑雨

八日目の蝉の緑雨のレビュー・感想・評価

八日目の蝉(2011年製作の映画)
3.5
見応えはある。が、演出に驚きが無い。肝心なことはみな台詞で語られてしまうし。井上真央は頑張ってはいるが、この役を演じるにはあまりに屈託が無い。このような壮絶な生い立ちとどう折り合いをつけて生きてきたのかが滲み出てこない。

小池栄子の気味悪さはよいアクセントになっているが、エンジェルハウスの記憶はもう少し作劇に活かすことができまいか。小豆島での儚くも幸福な時間は本当に素晴らしく撮れているし、その記憶が次第に甦っていく過程の表現もよいのだが、写真館の件りは工夫すればもっと印象深く撮れるはず。
緑雨

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