えむしーはまま

八日目の蝉のえむしーはままのレビュー・感想・評価

八日目の蝉(2011年製作の映画)
4.5
なんで今まで見なかったんだろう、、
こんな素晴らしい作品、、、😭

無償の愛と、見返りを欲する愛の二つが複雑な背景のもとに描かれていた。

不倫の末できた子供を堕した希和子は、本妻の子供を一目見たいと不倫相手が家を出た隙に侵入。
そして出来心で赤ん坊を誘拐してしまう。

そもそもなぜ生後数ヶ月の子供を置いて夫婦で出かけんの?!なんて苛立ちがおこります。
不倫していた男の家はネグレクト感満載の雰囲気で、赤ん坊の笑顔だけが天使のように輝いており、限界だった精神状態の希和子がその子を誘拐しまったのもなんとなく納得できる。犯罪だけども。

そこから希和子の逃亡生活と、大学生となった赤ん坊のエリナの描写が交互に描かれる。

個人的には、希和子が赤ん坊を誘拐しなくても、エリナは同じような心理状態に陥ったのではないかと、、。
子供に対してほとんどイベントごとを行わなかったり、どうして私を愛してくれないの?!感の強い実母の言葉は毒親そのもの。
対して誘拐犯のはずの希和子は、自分が捕まったときでさえ、「その子はまだご飯を食べてません!」なんていう始末。自分のことよりも子供のことを考え、ひたすらに愛を注ぐ母そのものでした。

エリナの心理状態も面白く、愛されない欲求から自らも不倫に走るものの、子供ができたときに、初めて無償の愛に気づいていくんですね。

もちろん誘拐は良くない。そのせいで沢山の人が傷ついたはず。
しかしながらそれを乗り越えていくエリナの描写が美しく尊く、最後は大泣きしながらエンディングを迎えました。
島の映像もとにかく素晴らしいので、帰省したとき行ってみようかな😭😭🌸