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イレイザーヘッドのkanappeのネタバレレビュー・内容・結末

イレイザーヘッド(1976年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

【いっそ夢であってくれ、悪夢でもいいから、目覚めるならば。】
私は子供のというものが怖いです。自分の胎内で10ヶ月暖め、新しい人として生まれること、その姿。最近まで実は気持ち悪いとまで思っていました。高校生の時、周りのみんなが20代で結婚をして子供を産みたいという人生設計を立てていることに驚きを隠せませんでした。これから生まれてくる何か…それが自分の複製であり、他人です。産まれたままの無垢な存在とやりあって行けるなんて想定できなかったからです。
「イレイザーヘッド」の世界観は私の中の恐怖のイメージをそのまま映像化した作品のように思えて仕方がありません。誰しもがすぐに親になれるわけではないし、幸せになれるわけじゃない。
ところが最近、自分の隣に子供がいるという夢を見てから急激に母性が湧き始めました。意外と可愛いんじゃないか?守ってやらなきゃいけないのだな?という感情を抱いたからです。本作が悪夢なら、それを打ち消すような夢だったのだと思います。
難解難解というものの、自身初のリンチ監督作「マルホランドドライブ」に比べれば、癖の強すぎるメタファーという感じがしてまだわかりやすかったです。個人的に。久しぶりに脳みそにグーパンくらいました。
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