個人的にこの映画を言葉にするなら、この世に生み出されなくてよくてもなかってもよかった作品であり、実に悪趣味。
しかしながら、必要な物だけ、綺麗な物だけでは決してこの世界（人間）は成立し得ない。
そんなことを体現している作品のように思いました。
あまりにも悪趣味な故、二度鑑賞することは無いでしょうがこんな映画が有ると知れた事・観てよかったとも思っています。
また、一度しか観ていないのに鑑賞後しばらく経ってなお様々なシーンがふとした瞬間に思い出されます。
作品そのもの、お話としてもすごいですが、画作りも同じくらい強烈だからだと感じています。
音声・字幕を消して観ても面白いかもしれない。
綺麗な物を「皆気付いていない・知らないかもしれないけど、これって凄く素晴らしい物だよ！」と発信することはそれほど難しくないけど、醜いものを醜いまま発信することは至難の業。
ましてや自分の醜い考えを世に発信することは技術的、不特定多数に伝わるように形にすることは相当に難産だったことと思います。
5年もの歳月をかけてでもこの作品を世に産み出した監督の才能と情熱と苦悩がありありと現れているようで最高に気色悪く、でも秀逸な作品。
