気付いたら、ここの所見ている映画の敵はみんなナチスか、ナチス風。
これはいかん。私は主義者じゃございませんと、ヒッチコックを引っ張り出しました。でいたのはまたピーター・ローレと言う…。ドイツ、殺人犯、子供ときたら彼しかいません。フリッツ・ラングの名作Mが代表作。画面を占有してしまう存在感。彼はハンガリー生まれのユダヤ人ですが。
英国時代のヒッチコックがサスペンスの巨匠となっていく契機となる作品。巻き込まれサスペンスの形をとり、各地を周りながら犯人を追うスタイル。スイスのサンモリッツで殺されたスパイから情報を聞いてしまった夫婦は最愛の娘を犯人グループに口止めのため、誘拐されます。娘を救うため、暗殺計画を止めようと家族が奮闘するお話。
アルバートホールが舞台になり、暗殺を食い止めようとするシーンの緊迫感はカットバックで繋ぎ、音楽がかぶさり最高潮となります。またクライマックスの銃撃戦。屋上に追い詰める犯人の怖さは、ヒッチコックシャドウと呼ばれた陰影ある撮影が高めています。
たった76分の作品ですが、これだけ詰め込んでも破綻せず、スピード感ある展開になってます。1934年にこれが撮られているのは脅威。
ちなみにこの作品の英題は、知りすぎた男。そう後に唯一セルフリメイクされた作品です。プロットはほぼ同じですが、よりサスペンス色が強くなってます。合わせてどうぞ。
この作品ヒッチコックでてないかな。