ねぎおSTOPWAR

暗殺者の家のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

暗殺者の家(1934年製作の映画)
3.8
原題 THE MAN WHO KNEW TOO MUCH
あれっ?・・このタイトル「知りすぎた男」じゃなかった??
そーです、そうなんです!
1934年にイギリスで作っていたんです。元作を。
それをリメイクする話がアメリカで1941年に出て、出来たのは1956年ですね。

いやもう骨子は一緒ですよ。そりゃね。ヒッチコック監督も最初はリメイクするつもりもなかったようです。・・ただトリュフォーとの話の中で、「『暗殺者の家(元作のこと)』は素人の名作、『知りすぎた男』はプロの作った名作なんだ」と言ったそうですね。ププッ。ヒッチだから許せるというか大丈夫ですけど、どんだけ自信家なんだよって話ですよね!!いや、いいんですけど日本人的な感覚だと「驕れるもの久しからず」って謙虚を美徳とする感覚ありますからね。

この違いとか話しているとネタバレにもつながるわけですが、さすがに古い作品だからあまり気にしなくてもいいのかしら??

両作共通の骨子から行くと、
まずこれは<巻き込まれ系>です。
ヒッチコック監督お得意の北北西に進路を取れにつながるライン。
深い知り合いではなくともある人物が不意に暗殺されます。死に際のメッセージがカギで、それは国家間機密・・要はイギリス国内で他国要人の暗殺計画が進んでいるという話・・に関係するわけです。そしてその伝達を悪い奴らも見ていて、黙らせるために子供を誘拐します。警察にも言えず、夫婦だけでダイイングメッセージを頼りに捜査します。
そしていよいよ暗殺計画!
この後、子供を救う段がやってきて無事救い出すという筋です。

さてこれ、リメイク作品を観ている人が圧倒的に多いと思いますのでそちらに照らして旧作を紹介しますと、
元作にケセラセラを唄うシーンはありません。ケセラセラはなくて、その代わりに後々生きるある特技があるんです。
コンサートホールは同じで曲もアーサー・ベンジャミンの「ストーム・クラウド・カンタータ」です。でもね、このコンサートホール、セットで作らせたそうですよ!(リメイクはね)
またオープニングタイトルバックの迫力と意味についてはリメイクの圧勝!

しかしながら、よく1934年にこんな名作生みましたね!
ヒッチコックはこの作品によって名声を手に入れたそうです!


31/56