明日2月11日は昭和の二枚目俳優・池部良の生誕100周年記念日!
スーツから着流しから軍服までをビシッと着こなし、ダンディズムと色気を兼ね備えた彼独特の雰囲気は今もなお、時代や性別を越えて我々を魅了し続けています。
また同日は、黒澤作品を数多く支えた82年没の名優・志村喬の命日でもあったり。
松本清張原作『黒い画集』シリーズの映画化作品『寒流』に当たっては、銀行という社会機構の闇と愛欲の罠に呑まれてゆく数奇な主人公・沖野支店長を池部良が好演。
融資先である料亭の美人女将を新珠三千代が演じ、その妖艶で麗しい未亡人ぶり&強かな女性像を充分に見せつけてくれます。
一線を越えた二人の蜜月に、女好きの桑山常務が介入してくることで生じる愛憎の三角関係。
振り回され、すべてが後手に回り、追いつめられ、出世コースを外れて次第に堕ちてゆく池部良の哀愁たるや。
男の嫉妬ほど陰湿で惨めでみっともないものは御座いません。
でもでも、そんな滑稽な姿でもやっぱりちゃんと色気を漂わす池部良、まじで憧れます。
志村喬も強欲な総会屋を憎たらしく演じ、明朗な親分役の丹波哲郎に至っては笑えてくるほど。
寒流なる社会を上手く渡り歩くには、やっぱ島耕作くらいの度量がないとダメです。