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ダンス・ウィズ・ウルブズのYYamadaのレビュー・感想・評価

ダンス・ウィズ・ウルブズ(1990年製作の映画)
3.8
【戴冠!アカデミー作品賞】
 第63回 (1990) アカデミー6部門受賞
 (作品/監督/脚色/撮影/作曲/録音)

〈見処〉
①「白人≠正義」画期的な西部劇
・ケビン・コスナー主演・初監督作。
・原作者の脚本家マイケル・ブレイクは、同居する友人の俳優ヴィゴ・モーテンセンをイメージして、本作小説を執筆。
・その白人批判の内容から複数出版社に拒絶された「いわくつきの原作」を『アンタッチャブル』『フィールド・オブ・ドリームス』で大スターとなったコスナーが私財をもとに製作されたのが本作。
・従来の西部劇作品と異を顕とする「侵略者としての白人社会」「ネイティブアメリカンと白人男性の心の交流」「字幕付きのネイティブアメリカン言語」「3時間以上の長編叙事詩」が鑑賞者・批評家双方の称賛を浴び、西部劇最大のヒット作に。
・なお原作と異なり主人公の妻を白人の設定としたのは、過去の西部劇にて白人がネイティブアメリカンを娶るというケースと同等とならぬよう差別的表現を回避するためだったそうだ。

②壮大なアメリカ原風景
・舞台は1860年代の南北戦争時代。日本はその頃は「大政奉還」直前の江戸末期。
・米国のゴーウエスト最盛期 はゴールドラッシュの1849年、フロンティアの消滅は1890年なので、本作はその中間期にあたり、進出先はどんどん辺境地となている。
・映画史上に残る、本作の壮大なスケールの原風景の大部分が中西部のサウスダコタ州で撮影。
・本作のクライマックスと云えるバッファロー狩りのシーンも、サウスダコタ州にて、バッファローの大群3500頭のと、20人のカウボーイ、150人のエキストラにて特殊撮影なしに撮影されたそうだ。
・自分は本作の影響を受けて、学生時代にサウスダコタ州のロケ地「カスター州立公園」「バットランズ国立公園」を廻りましたが、バッファローには逢えませんでした。
・『未知との遭遇』デビルズタワーや、『北北西に進路を取れ』マウント・ラシュモアはすぐ近くなので、ぜひ映画ロケ地を巡る旅をオススメします。

③私的解釈…なぜ作品賞に選ばれた?
・『ゴッドファーザーPart.Ⅲ』『レナードの朝』『ゴースト/ニューヨークの幻』と強敵揃いのノミネートのなかで「絶対正義のケビン・コスナー」「芸術性とリアリティーの高い、進化した西部劇」にて、受賞に至ったと思われる。

◆アカデミー作品賞 受賞作の中の
 本作のポジショニングは …
★★★☆☆ 芸術性
★★★★★ 社会風刺・メッセージ
★★★☆☆ ストーリーライン
★★★★☆ 革新性
★★★☆☆ 演技・演出

★★★☆☆ 総合評価 (独断と偏見)
・意外と高い評価となりました。が、3時間以上の作かつ、テンポも緩やかで、あまり再鑑賞する気になれない作品です。
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