まこぞう

女殺し油地獄のまこぞうのネタバレレビュー・内容・結末

女殺し油地獄(1957年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

近松門左衛門もの。学がないので筋を知らぬまま鑑賞。もちろん鑑賞後にwikiチェック。。

おどろおどろしいタイトルと違い、親の気持ち子知らず話のように物語は進むが、終盤きっちりタイトル通りに地獄を見せてくれる。

子を思う親の気持ちを見せて観客に涙させつつ、そのまま地獄絵巻になだれ込む演出が素晴らしい。そこでの新珠三千代と中村扇雀の二人芝居も圧巻。黒澤の『酔いどれ天使』(1948)を思わせるところもあった。

原作を変えてしまってでも自首をさせた監督の意図は少しでも救いを持たせたかったからだろうか。だったら安易で面白くない。最後まで反省をみせない主人公の人物像を混乱させるためならば非常に納得。

殺人を知った家族が口々に「夢見てるみたいだ〜」みたいなことをマヌケ面で言うのが最高。誰もが現実を受け入れられないというか直視出来ないのがリアルだし、それゆえ一瞬間を置いてゾッとさせられる。
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