おじぇに

女殺し油地獄のおじぇにのレビュー・感想・評価

女殺し油地獄(1957年製作の映画)
4.2
いやいや凄かった。

生粋の屑である老舗の油屋のボンボンが行き着く所まで行く話。

ほぼ家族と近所の優しい奥さんと、入れあげてる遊女との会話劇。主に揉め事。
事件らしい事もあるものの、やり取りの部分がメイン。

与兵衛は既に皆から持て余されているのに、次々に問題起こし厄介者の色をどんどん濃くして行きます。
悪の魅力とかとは無縁。ただ、面倒くさい親戚のおじさんみたいな哀しみがある。

与兵衛にうんざりしながら家族側に心底同情して観ていると、最後の30分で登場人物の印象が二転三転して、大変驚いてしまった。

いろんな思惑を勝手に感じとれるようになってるというか…

やっと更正?しようと決意した所にあの家族の行動を見て、この男は栄養を与えられすぎて根腐れしてしまっていたんだなと思いました。
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