モアナ放送記念WOWOWにて。
近年の、と言ってももう軽く10年前ぐらいになるのですが、ディズニー作品の中では不当に評価の低い、かなりエポックメイキングな作品。
アフロアメリカンの女性が主人公というのがまず画期的。
また、ディズニーアニメが頸木としていた「王子のキス」という設定を敢えてツイストしてみせたのも意欲的。
今や「エンターテイメントの最前線」の象徴たるディズニーアニメーションが、その保守的なイメージから脱却しはじめた最初の作品ではないでしょうか。
そして、何より音楽が素晴らしい。ランディニューマンによらジャズミュージック、ニューオーリンズブラスバンドを主体にしたサウンドトラックはそれまでのディズニーアニメとは一線を画し、今なおフレッシュ。
いかんせん、キャラクターがカワイくないのと、フォーマットの新しさと比較して凡庸なアクションやギャグのせいで、お世辞にもウェルメイドとは言い難い作品。
事実あまりヒットもしなかったのですが、現代的なヒロインやマイノリティへの視点など、後年のディズニー作品に大きな影響を与えた意味深い一本である事は間違いないのではないでしょうか。