YokoGoto

ウィンターズ・ボーンのYokoGotoのレビュー・感想・評価

ウィンターズ・ボーン(2010年製作の映画)
3.8
全体的に、超好みの質感!!


サンダンス映画祭でグランプリ・脚本賞の2冠。
アカデミー賞で、作品賞・主演女優賞・助演男優賞・脚色賞の4部門でノミネートされたインディペンデント作品。

父は覚せい剤の罪で逮捕され、母はショックで心を病んでしまった身の上で生きる17歳の少女の物語。
こんな身の上の中、ミズーリの片田舎で12歳と6歳の弟と妹を必死に育てる彼女の、強さとたくましさを、質感のある画づかいで描く。



とにかく、脇役やエキストラ的な役柄のキャストにまで、細やかにリアリティを追求した画づかいになっているところが素晴らしい。
なにげないカットも自然で、田舎村の閉塞感が生き生きと伝わり感情移入しやすい。


主役の、ジェニファー・ローレンスは、若手ハリウッド女優の中ではピカイチに好きな女優さんだが、(日本で言えば蒼井優さんを3倍骨太にした感じの)透き通る演技が本当に素晴らしい!

キャラクター的には、「あの日、欲望の大地で」や「早熟のアイオワ」に、若干かぶるが、こういう役どころはジェニファーはピッタリはまるので、サスガである。


冷たい冬枯れた田舎街で展開されるサスペンス。
救いのなさの中に、時折ほんのり感じる他人の暖かさ。

監督のやさしい眼差しが、温かみのあるカットから垣間見れる。

後半の湖でのサスペンス部分は、強烈な印象を残す。小ぶりなシーンなのに、見せ方でこんな緊迫感を醸し出せるのか、と驚いた。

苦しくとも、辛くとも。
そこから逃げることができなければ、必死に生きるしかない。
それは諦めではなく適応であり、必死に生きれば、そこには必ず道が開けてくる。


人は、生きながら猛烈に強くなっていくことを、少女の成長を通し絶妙なバランスで描く秀逸な作品。