PANDADA

穴のPANDADAのレビュー・感想・評価

(1960年製作の映画)
4.0
妻から殺人未遂で訴えられたガスパールはサンテ刑務所に収監される。収監された8号棟の改修工事のため、11号棟へ移ったガスパールはそこで脱獄を企む男達と出会う、、、的なお話。

ロベール・ブレッソン監督の「抵抗 〜死刑囚の手記より〜(1957年公開)」も脱獄モノの大傑作ですが、本作もまた傑作です。

特徴的なのは音。
床や壁を掘ったり、鉄格子を擦り切ったりするときにかなり大きな音を立てます。
その音が看守達に聞こえるんじゃないかと、観ているこっちがハラハラします。

その割に物陰に潜むときは音一つ立てない。肩車しながら、柱の影をぐるーっと回ってしのぐ時も音無し。

それらが非常に映えるのは、余計な情報がシャットアウトされるモノクロだからこそだと思います。

そして、キャラ達が良いですね。
それぞれしっかりとキャラが立ってます。
キャラ個人個人の背景などの説明はほとんどないのに、性格の違いとかがしっかり伝わるのは、それぞれの俳優達の名演と優れた脚本によるのかな。

そして、まさかのラスト。
しばらくその衝撃を忘れられそうもありません。

脱獄映画の傑作。
PANDADA

PANDADA