鮃サブロウ太

穴の鮃サブロウ太のレビュー・感想・評価

(1960年製作の映画)
4.3
TSUTAYAの発掘良品コーナーにて。
穴掘りに2時間はどうなのだろうと思い観始めたが杞憂だった。
一番惹かれたのは映像の潔癖さで、およそ刑務所や脱獄には不釣り合いな言葉だが、これは要らないなぁと思う動きやセリフが全くない。
研ぎ澄まされ突き詰められたリアリティの塊のような映画で、穴掘りは穴掘りとしてしっかり描き、人間ドラマは人間ドラマとしてキチンと描く。そのメリハリが作品全体に緊張感をもたらしている。
閉塞感のある窮屈な空間にもかかわらず演者のヘンな体臭もなくて、とにかく物語の展開だけに集中できる作りがすばらしい。