うん、普通に楽しめた。
戦争ものというか、後半はヒッチコック的なサスペンスで面白い。
ヴァーホーベンも大人になったなあと感じた。
彼のエロさグロさはそれほど感じず、意外とあっさりな描写で終わる。
〇〇をかけられるシーンなどは、昔ならもっとしつこい感じに撮ってたのではないか。
ナチスを悪者にして一方的に描く、ユダヤ系のハリウッド的なものの見方ではなく、
ナチスだろうが、レジスタンスだろうが結局人間なんて醜いものだろという、冷徹な諦観が流れている。
だから、ナチのフランケンの嫌らしさも勝った側の虐めも両方描く。
それでいて、ヒロインとフランケンさえ受け入れる同僚の生き方の違いも対照的に描いている。
素晴らしい多重構造と描き方。
伏線も綺麗な回収。
殺されるときの逃げ方とか唸った。
ただ最後、車で静かになる前に〇〇の言い訳も聞きたかったなあ。
あれだと只の悪い人になってしまう。
キブツシュタインにいるのもまた、
苦しみに終わりは無い、ということか。
第二次世界大戦が終わっても、
第二次中東戦争が始まると。
俳優的には、フランケンとその愛人、あとスマールの役の人が中々良かったです。