deenity

ブラックブックのdeenityのレビュー・感想・評価

ブラックブック(2006年製作の映画)
4.0
最近映画だけは何とか合間を縫って見てますが、忙し過ぎてレビュー書こうと思っても寝ちゃう日々が続き、どんどん溜まりつつある状況です。

ポール・ヴァーホーベンはこれで二作目。『エル』が良かったし、本当はこの人の作品で見たいのって結構あるのでもっと色々見てみたいですね。

本作は第二次世界大戦時のユダヤ人女性の生き抜く様が描かれた戦争映画であり、サスペンス映画であり、スパイ映画であり、恋愛映画であり…と、とにかくいろんなジャンルを楽しむことができる作品。
それでいてエロさとバイオレンスのバランスがよく取れているのは脚本の質の高さを物語っていて、長さを感じさせない引きつける魅力があったのは確か。

ただ歴史を辿ってはいるけれど、史実映画では決してなく、人種的な善悪に捉われているわけでもないから偏見もなく、シンプルにエンターテインメント性の高さが際立っていた。

だってここに戦争的なお涙誘う展開とかあっても邪魔なだけだし、ナチとユダヤの歴史すらも関係ないわけで、自然と二転三転するストーリーに引き込まれていけばいいと思う。

とは言え彼女が関わる激動の人生には同情すら生まれ、やはりあのシーンの惨さには言葉を失わざるを得ない。
そんな役をしっかりとやり通したカリス・ファン・ハウテン。体を張った見事な演技だった。
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