あゆぞう

ある愛の風景のあゆぞうのレビュー・感想・評価

ある愛の風景(2004年製作の映画)
4.0
前からチェックしていたのだけれど、スサンネビア監督作品だとは知らなかった

主人公の奥さん、どこかで見たことあると思ったら凛とした美しさにホレボレしたワンダーウーマンのお母さん

おまけに大好きな「特捜部Q」のカールも出てきてうれしかった

原題は”BRODRE”、英語で”BROTHERS”だから邦題はミスリードと言えなくもないけど、兄弟の物語というよりは夫婦の物語だからいいのか

えっ、その状態でキスする?っていうくらい仲のいい夫婦に娘がふたりいるのだけど、お姉ちゃんが反抗的でいいアクセントになっている

悪さをして出所してきたクズな弟、昔から優秀で軍人になった兄、あからさまに兄だけに愛情を注ぐ父、そして美しすぎる妻…設定が絶妙

アフガニスタンでの出来事がファミリーのギリギリの均衡をズタズタにしていく

日本は平和ボケと言われるけど、実際、第二次世界大戦で僕たち日本人の「戦争」は終わっている

だから戦後、世界中でデフォルトは平和、と考えがちだけど、第二次世界大戦後に戦争をしていないのは国連加盟国193ヶ国のうち8ヶ国に過ぎない

この映画の舞台であるデンマークはその8ヶ国のうちのひとつではあるけれど、軍隊はあるし徴兵制はあるし、死と隣合わせの「国際平和維持活動」に積極的に参加している

そんな世界の現実を突きつけられもした

演者が皆んな役柄そのものに感じられる質の高いパフォーマンス(特に娘ふたりは素晴らしかった)

劇伴がどことなくアフガニスタンぽい感じでよかったけど、メインテーマのサビが好きじゃなくて鼻についたのが残念

デンマーク制作のスサンネビア作品ではこの作品から脚本、音楽、撮影ともに同じスタッフで、ビア流とも言える目のアップもここから

にしてもコニーニールセンの眩しいまでの美しさ

アラフォーでこの作品、アラフィフでヒッポリタ女王…ため息…(『ニンフォマニアック』でシャルロットゲンズブールのお母さんやってたみたいだけどまったく記憶になくて悔しい)

おでこがチャーミングすぎてデコピンしたい衝動を抑えきれない…
あゆぞう

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