夏色ジーン

ある愛の風景の夏色ジーンのレビュー・感想・評価

ある愛の風景(2004年製作の映画)
4.2
感想川柳「簡単に 割り切れるほど 楽じゃない」

マイ・ブラザーの基になった作品の上に監督がスサンネ・ビアなので観てみました。。( ゜ρ゜ )

美しい妻サラと2人の娘を持つ国連軍のエリート兵士ミカエルは、良き夫、良き父として幸せな日々を送っていた。しかし、戦渦のアフガニスタンへ赴いた彼はヘリを撃墜され、敵の捕虜となってしまう。一方、サラの元にはミカエルの訃報が届き……というお話。

弟役はニコライ・リー・カースなんですね。( ̄ー ̄)ピッタリだわ。リメイク作品はトビー・マグワイアの怪演が光りましたが、こちらは全体的に内包したまま収まってる印象。(・ε・` )ミカエルの内面でスゴい闘ってる感じ。

リメイク版はキャストが全員豪華なだけに見栄えもいいし、ドラマチックに見えるけど、こちらは口で語らない表情やしぐさが印象的。四隅が暗くてぼんやりしてるし。リメイク版は全体的に暗いけど色味がクッキリして兄弟が映える。(  ̄ー ̄)ノ

ミカエルはどこで壊れたんだろう?処刑を実行する前?実行した後?捕虜はいなかったとウソをついた時?家族の輪から外れてると感じた時?捕虜の奥さんに会った時?娘が放った言葉を聞いた時?リメイクでは気にならなかったが、そういうのが今作では気になった。( ´△`)

ミカエルが「リアルハント」の母親と同じような台詞を言っていたのは偶然か?(;´д`)生きるために強要されたとはいえ、「人間」として生きて帰ろうと励まし合った仲間を殺すのは究極の選択。たぶんミカエルの頭の中では「殺してまで生きたくない」「でも使えないから殺すと言った以上自分が死んでも結局彼も殺されるかも」「それならば自分にも家族がいる以上生きられる可能性に賭けるべきか」と葛藤してるように思えた。そして「迷いながらも実行に移した」。リアルハントの母親も「良き母親であろうとした自分」と「嫉妬、女としての自分」の狭間で迷っていた。

ここで長男としての真面目な性格が災いしてるんだろうなと。(´д`|||)自分だったら[人間として理性選ぶなら死ぬ覚悟を決める]か[家族のためでも何でも生きることを選ぶなら罪を背負う覚悟で殺す]のどちらか。(__)良心の呵責を感じるなら後者を選ばない。そして後者はウソを続けるか軍法会議覚悟で全てを告白しなければならない。そんなのあの短い時間で考えられるか〜(/≧◇≦\)どこかサイコパス的な割り切りが無ければ無理だな。

結果的に尊厳を捨てたらまともではいられないということか。(-_-;)ということは周りの人に助けてもらうしかない。

こういう状況に陥らない平和な環境作りが何よりの解決法。