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三月のライオンのtonyのレビュー・感想・評価

三月のライオン(1992年製作の映画)
3.6
30年前の東京の風景が映っている。あの風景を構成しているものは、現在ほぼ残っていないように見えた。映画のシーンでは、建設でなく解体現場が主に映ってる。それは特段ストーリーのためでなく、映画全体のイメージとして解体現場が使われている。きらびやかな東京ではなくバラック感のある東京が舞台となっていた。今ほど高解像度のカメラでなかったから、彩度による絵ではなく、トリミングや明度による絵のように思う。
浮世離れしたあの様なシーンをよく思いつくなと思う。過去の映画であの様なシーンがあるのだろうか。映画好きな人が撮った映画だと思う。とても詩的で抽象的な映画だった。次撮ればもう少し落ち着いてくるのだろうと思う。無音の時は情報が極端に少なくて安心して見ていられたが、オカリナみたいなBGMは疑問に思った。このころの反動なのか近年は具体的なドキュメンタリーのような映画が多いし、個人的にはそちらの方が好きである。
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