TaiRa

ジャイアンツのTaiRaのレビュー・感想・評価

ジャイアンツ(1956年製作の映画)
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大きなスクリーンでのフィルム上映がうってつけの映画だった。余りにも広大なテキサスの大地は圧巻。

20世紀アメリカの変容を体現した南部の大地主一家の大河ドラマ。ジョージ・スティーブンス監督の前作『シェーン』と同様に時代の終わりと始まりの話。人種差別や女性差別への言及は当時としてはかなり進んでる。エリザベス・テイラー、ロック・ハドソン、そしてジェームズ・ディーンはみな20代の役者たち。主人公はリズの人柄を反映したような偏見のない庶民的な女性として描かれる。ロック・ハドソンはテキサス男の型にはまろうとする夫だが、当時のハドソンってゲイを隠してアメリカ男性の理想像を演じていた訳で感慨深い。ジェームズ・ディーン演じるジェットも、やはり自身を偽って孤独な石油成金になっていく。ちなみに彼もゲイだったと言われてる。俳優ジェームズ・ディーンの魅力も凄いし、つくづく彼の早すぎる死が残念と思える。広大な大地で始まった物語のクライマックスがホテルのワインセラーや田舎のダイナーでの殴り合いなのが面白い。大いなるアメリカは終わりを告げて小さな前進に全てを託すエンディング。
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