ジョジー

ジャイアンツのジョジーのレビュー・感想・評価

ジャイアンツ(1956年製作の映画)
4.0
午前十時の映画祭9にて再鑑賞。以前は、個人的にジミーにしか焦点を当ててなかったので、彼が主役くらいな気持ちで観てしまったんですが、今日の鑑賞で主役はエリザベス・テイラー&ロック・ハドソンなんだと実感(遅い^^)。

テキサスの大牧場主ビッグと、東部から嫁いできたレズリー。ふたりを中心に、テキサスと時代の移り変わりを描いた30年に渡る大河ドラマ。そう思うと、200分という時間は短いくらい。
愛する男性と一緒とはいえ、今までとは全然環境の違う生活に身を置くことになったレズリー。1920年代、まだまだ男女差別や人種差別が色濃く残る時代に、「私は私よ」としっかり自分を持って生きる姿が印象的。
ビックは大牧場を姉ラズと一緒に切り盛りすることに人生を懸けている男。レズリーの気の強さに手を焼きながらも、彼女を愛しているんだというのはずっと感じられました。
ラズのお気に入りながら、ビックとは対立関係にある使用人のジェット。レズリーに思いを寄せながら、このままでは終わらないという野望を持つ若者。事故でラズが亡くなり、ジェットにほんの少しだけど土地を遺したことで、原油を掘り当て人生が180度変わっていきます。
一男二女に恵まれたベネディクト家。しかし、子どもたちがそれぞれの生きる道を自分たちで考える年頃になり、親の思い通りにはならないもどかしさを経験するビックとレズリー。
ジェットはというと、石油で大金は手に入れたものの、レズリーに対する想いを断ち切れず、彼女の娘にその面影を見てるというか… 昔観た時はとても切なく感じたんだけど、今回は彼の孤独には同情するものの、独りよがりでしかないかなと…。
人って時代の流れに翻弄されながら生きてる。自分が半世紀生きてみて、それは今も昔も変わらないと感じます。映画観終わって、今まで生きてきた足跡を振り返ってみることは、年齢問わず早過ぎることも遅過ぎることもないのだと思いました。
そして、思った以上に男女、人種、格差での差別を問題提起した映画だったんだと再確認しました。

レズリーを演じたエリザベス・テイラーはこの時23歳。初めて観たとき、こんなに美しい人がいるのかと感動しました。ビッグを演じたロック・ハドソンも、彼の息子を演じたデニス・ホッパーも良かったです。チョイ役でサル・ミネオも出演してて『理由なき反抗』思い出しました。
そして、ジェットを演じたジェームス・ディーン。愛に飢えた孤独な僕を演じさせたらこの人に叶う者はいない気がします。ラストシーン近く、酔っぱらって演説ができなかったジェットが大きなホールで独り、レズリーへの想いを吐くシーンは彼のアドリブだったとのこと。もう少し長く活躍してほしかったと未だに感じてしまいます。
あまりにも壮大な物語で、いつもながら上手く感想書けません。でもスクリーンで観れて本当に良かったです。
ジョジー

ジョジー