タカシサトウ

ジャイアンツのタカシサトウのレビュー・感想・評価

ジャイアンツ(1956年製作の映画)
3.9
[石油で滅んでいく]

 ジェームズ・ディーンの遺作。ロック・ハドソンの牧場主とその妻のエリザベス・テーラー、そして石油によって崩壊していくジェームズ・ディーンの牧童らの生き様を描く。

 30年間を延々と、201分はかなり長かった。ゆったりとしたテンポで、分かり易く、観やすい。エリザベス・テーラーは本当に美しく、ロック・ハドソンも美男子だが、のし上がり、嫌みで堕落してくジェームズ・ディーンがやはり印象に残り、それ以外は盛沢山過ぎる気もする。彼が、酔っ払って一人残され、墜落していくこの場面だけは、本当に凄まじい。

 アメリカが戦争によって、潤い、そして、精神的に崩壊していく象徴としての石油があるのだろう。(2018.3.23)