あしからず

ジャイアンツのあしからずのレビュー・感想・評価

ジャイアンツ(1956年製作の映画)
3.6
題名のように巨人のような大きな目線で年月と共に移り変わるテキサスとテキサスに暮らすある一家の人生を描いた3時間越えの大作。
初めはエリザベス・テイラー演じるレズリーと夫ベネディクトに焦点を当て、東部から嫁いだレズリー目線で西部テキサスを撮っていたため全編レズリー目線で語られるのかと思いきや、中ほどから目線が引いていき、いつのまにか巨人の目のように全体を俯瞰する構成になっていってエリザベス・テイラーが後半わりと空気になってた事に戸惑いつつ、色々な意味でジェームズ・ディーンが映画をかき回した事に彼の存在感のすごさを感じる。この映画の彼が好きかは別として…。
ラストに人種差別が起因でレストランの店主と決闘する夫という構図の驚きはまさにその前の3時間という長いストーリーを踏まえて初めて現れるものである。
あそこで妻のレズリーが感じた誇らしさと感動を、共に彼らの人生を見てきた私たちが同時に共有できる素晴らしさにこの長いドラマの全ての意味があるんじゃないかと思う。
あしからず

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