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悪名縄張荒らしのmitakosamaのレビュー・感想・評価

悪名縄張荒らし(1974年製作の映画)
3.4
勝新による悪名シリーズの最終作。であるが、かなり異質な作品。
前作の後に大映が倒産し、勝プロによる制作で東宝の配給。しかも1・2作目を1本に纏めたリメイクという複雑さ。

さらに田宮二郎が出れなくなっているので、モートルの貞が北大路欣也に変更になってる。声質や喋りはかなり田宮二郎に似せているけど、顔が厳つい(笑)貫祿があり過ぎて田宮二郎の様な愛嬌は無いかな。

また2作を1作に纏めている分、エピソードが詰まり過ぎな印象もあるな。やっぱりお絹と琴糸のダブルヒロインは無理あるんじゃないかしら(笑)

それに長政の元締に見捨てられた状態での、カポネ親分との抗争で、さぁいよいよオーラスだ、という所で召集令状。最後の最後の大暴れが無く終わるのは拍子抜けだよな。これは2作目のエンディングだから許されたネタであって、1本の単独の映画の終わり方ではないよ。

シルクハットの親分が大滝秀治だったりとか、財津一郎が空手使いのチンピラをコミカルに演じてたり見所は多い。

全体的に良く出来ているが、シリーズ物の最終作として、こういう形での映画化には一抹の寂しさはあるな。
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