おなべ

2001年宇宙の旅 新世紀特別版のおなべのレビュー・感想・評価

3.9
人智を超越した独特な世界観に引き込まれたが非常に甲乙つけ難い作品でもある。というのも映像が難解を極めている為、理解が追い付かず、まるで不可思議な次元に迷い込んだかのような感覚に陥った。監督の思い描く「人類進化論」や広大な宇宙の超次元的力学を映像でアプローチしていた。

《スタンリー・キューブリック》監督の不朽のSF超大作。この作品を映画館の、それもIMAXの大スクリーン大音&大音響で鑑賞できたことにひたすら感謝したい。

壮大なオーケストラが印象的で、轟々と鳴り響く音楽に度々圧倒された(序盤の前奏の長さにも驚かされた)。また、次々と映し出される強烈な映像の数々に正直開いた口が塞がらなかった。

とにかく、多少意味不明でも楽しめるのが、この『2001年宇宙の旅』であるので観てない方は是非とも観て、この世界観を体感して欲しい。




【以下ネタバレ含む】




◉ 文明とは、人類とは、進化とは、宇宙とは。道具の使用・人工知能の暴走・人類の叡智…過去と現在・未来で様々なシーケンスに分かれ、それぞれの文明の進化の瞬間を通して進化の起源や森羅万象を説明していた。しかし、間違いなく言えることは本作を理解する上で最も重要なカギは間違いなく、謎の飛行物体「モノリス」であるということ。“知恵の源”“知的生命体”etc…いづれにせよ正体不明である事には変わりないが、少なくともこのモノリスが人類に知恵を与え高次元への進化を齎したと、観た限り解釈できる。また、最後に観た理解不能の抽象映像こそ人智を超越した世界であり、その理解不能こそがそのまま人智を超越している事の説明となるという大胆不敵な演出は、正に《キューブリック》監督のみが成せる神業であると思う。




◉聞くところによれば、『2010年』を観れば理解出来るそうなのでいずれ鑑賞してみたい。
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